2023年大河ドラマの主役は徳川家康。
豊臣家ゆかりの高台寺に2幅の東照大権現姿の家康像が伝わっています。
高台寺は豊臣秀吉の菩提を弔うため、正室のねねが開基したお寺です。しかし、その建立は家康の協力なくしては成し遂げられなかったといっても過言ではありません。
秀吉の七回忌にあたる慶長9年(1604) ねねは高台寺の建立を発願。秀吉が眠る阿弥陀ヶ峰にちかく閑静な地として、ねねの条件にかなったのが現在高台寺が立つこの東山鷲ヶ峰の麓でした。ところが当時この一帯は公卿・鷲尾家の所領で折衝は思いがけず難航。そこで両者のあいだに入ったのが家康でした。家康は難色を示す鷲尾家の訴えを退けると、翌慶長10年(1605)酒井忠世と土井利勝を造営の御用掛に任命、京都所司代・板倉勝重を普請奉行に、堀直政を普請掛に置いていわば”高台寺造営チーム”を結成、ねねのために力を貸しました。このように高台寺建立と家康との関わりは深く、このときの家康の働きがなければいまの高台寺はなかったか、まったく違った形になっていたのかもしれません。
この度、掌美術館では所蔵の「東照宮尊影(徳川家康像)」を中心に徳川家との関わりがわかるお品のほか、秀吉・ねねゆかりのお品もあわせて展示いたしました。
◆展示品
東照宮尊影(徳川家康像) 江戸時代
土井勝利・酒井忠世仮名消息 江戸時代
高台院像 桃山時代
豊臣秀吉像 慶長6年(1601)
豊臣秀吉公所用 緋羅紗履・唐木杖像 ともに桃山時代
桐紋雲龍蒔絵脇息 桃山時代
獅子牡丹蒔絵双六盤 江戸時代